エニアグラムにおいて、タイプ「1w2(改革者・援助者)」は、タイプ1(改革者、道徳家)を基本としながら、タイプ2(援助者、支援者)の影響を受けている個性を指します。このタイプは、真面目で高い倫理観を持ちながら、他者の助けになりたいという強い気持ちが特徴です。「1w2」の性格は、タイプ1の厳格さと、タイプ2の温かみや人に寄り添う姿勢が絶妙に組み合わさったものと言えるでしょう。
完璧主義と正義感:タイプ1の特徴である「正しさ」を強く追求し、自己にも他者にも高い基準を求めます。しかし、タイプ2の影響を受けることで、この「正しさ」は他者のための行動や思いやりに向けられやすくなります。
他者への奉仕と自己犠牲:1w2は、他人を助けることに大きな喜びを感じます。タイプ2の影響で、単なるルールや秩序の維持を超え、他者に寄り添って奉仕することが自然な態度となります。
自己批判と自己改善への意欲:自分を成長させることへの欲求が強く、理想に近づくための自己改善を常に目指しています。1w2は、周囲の人々にも「より良い自分」を目指して欲しいと願うため、他者の行動に対しても指導的なアプローチをとりやすい傾向があります。
1w2は、規律正しさや他者を思いやる心、向上心などの美徳を多く兼ね備えているため、周囲にとって非常に頼もしい存在です。以下に、1w2の持つ強みを挙げます。
1. 責任感が強い:1w2は非常に責任感が強く、やり遂げることに対して高い意識を持っています。自ら進んで役割を果たそうとするため、職場や家庭でも信頼される存在となります。
2. 思いやりと温かさ:タイプ2の側面があるため、他者に対して温かく接し、困っている人や弱者に対して手を差し伸べることが得意です。1w2は「他者を助けるために自分が正しくありたい」という動機を持ち、真摯に人に寄り添います。
3. 自己改善の意識:理想を高く掲げ、それに向かって自己を磨き続ける姿勢があります。1w2は、「自分が成長することで他者の役に立てる」という信念を抱き、不断の努力を怠りません。
1w2の弱点
1w2は強い責任感や理想主義ゆえに、ストレスを感じやすい性格でもあります。特に以下の点で弱さが現れることがあります。
1. 過度な自己批判:理想が高いため、完璧にできない自分を責めてしまう傾向があります。特にタイプ2の影響で「他者の役に立てていない」と感じるとき、自己価値を見失いがちです。
2. 他者への批判:自分と同じように他者にも高い基準を求めるため、相手が理想にそぐわない行動をとると厳しく批判することがあります。周囲から「厳しすぎる」と感じられることも少なくありません。
3. 自己犠牲に陥りやすい:1w2は他人に奉仕することに喜びを感じますが、時に「自分を犠牲にしてでも他者のために」という考えに囚われてしまうことがあります。そのため、自己を後回しにしてストレスが溜まることもあります。
1w2として健全に生きるためには、以下のような点に注意を払うと良いでしょう。
1. 自己肯定感を高める:自分ができる限りの努力をしていることに目を向け、完璧でなくても自分を認める習慣をつけましょう。自分の価値を他者に依存することなく、自分自身で見出すよう心がけることが大切です。
2. 他者に対して柔軟に接する:他人の行動を理想の基準で評価するのではなく、相手の立場や状況を理解しようとする姿勢が必要です。他者への期待が過度に厳しくならないよう、柔軟さを意識してみましょう。
3. 自己ケアの時間を持つ:自己犠牲に陥りがちな1w2は、自分のための時間や休息を確保することが重要です。他人に尽くすだけでなく、自分を大切にすることで、長期的に健康的に人を支えることができます。
1w2は正義感や責任感が強く、他者に貢献する意欲も高いため、次のような職業に向いていることが多いです。
教育・福祉:教師やカウンセラー、福祉関係の仕事は、1w2の他者をサポートしたいという気持ちと責任感を活かせます。
医療・看護:医師や看護師など、患者に直接的に支援を行う職業は、1w2がやりがいを感じやすい分野です。
法務関係:弁護士や法務職などの職業は、正義感が求められるため、1w2にとって魅力的で充実感を得やすい職業です。
公共サービス:行政やNPOなど、公共の利益に貢献する仕事も1w2の使命感に合っています。
1w2は、責任感が強く、周囲を改善したいという強い欲求があるため、リーダーシップを発揮することが多いです。しかし、他者の気持ちに敏感なタイプ2の要素もあるため、相手に寄り添いながらの指導が得意です。ただし、期待する基準が高くなりすぎると、厳格さが強調されてしまい、他人に窮屈さを感じさせることがあるので注意が必要です。
1w2が健全に成長し、自分らしい生き方を実現するためのヒントは次のとおりです。
1. 自己の価値を見つめ直す:自分の価値を他人に認められることに頼らず、自分自身の基準で自分を評価することが大切です。少しずつ自己の価値を内側に求める練習をしてみましょう。
2. 受容と柔軟性を意識する:他人に完璧さを求めず、人それぞれの違いを受け入れる柔軟性を持ちましょう。期待しすぎず、ありのままの自分や他者を認めることが、自分にも周りにも良い影響を与えます。
3. 休息とリフレッシュを習慣に:自己改善や他者奉仕に熱心な1w2だからこそ、意識して休息を取ることが必要です。自分を労り、リフレッシュの時間を作ることで、心身ともに健全な状態を保ちやすくなります。
項目 | 説明 |
---|---|
基本的特徴 |
- 完璧主義と正義感を持ち、自他に高い基準を求める。 - 他者を助けることに喜びを感じる。 - 自己改善への意欲が強く、成長を目指す。 |
強み |
- 責任感:周囲から信頼される存在として、積極的に役割を果たそうとする。 - 思いやり:困っている人を助け、温かく接する。 - 自己改善:理想に向かって成長を続ける。 |
弱み |
- 過度な自己批判:完璧でない自分に不満を抱きがち。 - 他者への批判:相手にも高い基準を求めすぎることがある。 - 自己犠牲:他者に尽くすあまり、自分を後回しにしやすい。 |
成長のためのポイント |
- 自己肯定:自分の努力を認め、完璧を求めすぎないようにする。 - 他者への柔軟さ:相手の立場を理解し、過度に厳しくならないようにする。 - 自己ケア:自分を大切にする時間を持つ。 |
向いている職業 |
- 教育・福祉(教師、カウンセラー) - 医療・看護(医師、看護師) - 法務関係(弁護士、法務職) - 公共サービス(行政、NPOなど) |
対人関係 |
- リーダーシップを発揮しやすいが、他人にも高い基準を求めることがある。 - 他者の気持ちに敏感で、相手に寄り添いながら指導する。 - 周囲から「厳しすぎる」と感じられることもあるため、柔軟性を意識する。 |
1w2が陥りやすいパターンと克服のヒント
パターン | 詳細 | 克服のヒント |
---|---|---|
過度な自己批判 | 自分が理想に届かないときに自分を責めることが多い。 | 自己の努力を認め、小さな進歩にも自信を持つ習慣をつける。 |
他者への批判 | 他者にも自分と同じ基準を求めて、批判的になることがある。 | 相手の立場に立って柔軟に対応し、期待を控える。 |
自己犠牲 | 自分の健康や幸福を犠牲にしてでも他人を助けようとする傾向がある。 | 自己ケアを大切にし、リフレッシュの時間を意識的に設ける。 |
エニアグラムの1w2は、道徳的で正義感が強いタイプ1の側面と、他者に温かく寄り添うタイプ2の側面を持ったユニークな性格です。責任感や奉仕の精神、自己成長の意欲など、周囲に良
い影響を与える資質にあふれていますが、自己批判や自己犠牲が強すぎると、ストレスが溜まりやすい傾向があります。健全なバランスを保ちながら、他者にも自分にも優しく接することで、1w2として充実した人生を送ることができるでしょう。
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