エニアグラムは、個人の性格や行動パターンを9つのタイプに分類する心理学的なツールであり、各タイプは特定の「防衛戦略」を持っています。防衛戦略とは、ストレスや感情的な圧力を感じたときに、自己を守るために無意識的に発動する心理的メカニズムです。この記事では、エニアグラムの各タイプにおける防衛戦略を詳しく解説し、これらの戦略がどのように私たちの行動に影響を与えるのかを探ります。
エニアグラムにおける防衛戦略は、各タイプが感情的な痛みや不安から逃れるために使う無意識的な方法です。これらの戦略は、個人の深層的な恐れや欲求に関連しており、無意識のうちにその行動や思考に影響を与えます。防衛戦略は、短期的には心理的な安定をもたらすことがありますが、長期的には自己成長を妨げる原因になることもあります。
各エニアグラムタイプにおける防衛戦略を見ていきましょう。
エニアグラムタイプ | 防衛戦略 | 特徴的な反応や行動 |
---|---|---|
タイプ1: 改革者 | 抑圧(Repression) | 感情や欲求を抑え込むことで、自分の理想に沿った行動を選ぶ。内面的な不満や怒りを抑圧し、冷静さを保つ。 |
タイプ2: 助ける人 | 同一化(Identification) | 他者のニーズに自分を同一視し、自己価値を他者の評価に依存する。助けることが自己のアイデンティティとなる。 |
タイプ3: 達成者 | 過剰適応(Idealization) | 他者の期待に応えようと過剰に努力し、成功や成果を強調する。感情よりも結果を重視。 |
タイプ4: 個性的な人 | 回避(Avoidance) | 感情的な痛みや不安から逃れるために、感情を回避したり、孤立する。個性や独自性を守ろうとする。 |
タイプ5: 探究者 | 孤立(Isolation) | 感情的な接触を避け、知識や情報に逃げる。自己防衛的に感情を無視し、自己完結型でいることを選ぶ。 |
タイプ6: 忠実な人 | 投影(Projection) | 自分の不安や疑念を他者に投影し、外部の世界に責任を転嫁する。リスクや不確実性を避けようとする。 |
タイプ7: 楽観主義者 | 分裂(Splitting) | 物事を極端に捉え、ポジティブな側面だけを強調し、ネガティブな感情を避ける。楽観的に状況を切り抜ける。 |
タイプ8: 挑戦者 | 攻撃(Rage) | 自分の支配力や力を誇示することで、自身の弱さを隠す。圧力に直面すると、攻撃的になり防衛する。 |
タイプ9: 平和を重んじる人 | 昇華(Sublimation) | 感情的なストレスを穏やかな方法で処理し、対立を避けることで調和を保つ。無気力に見えることもある。 |
1. タイプ1: 改革者 (抑圧)
タイプ1は、完璧さを追求し、理想に沿った行動を取ろうとしますが、感情や欲求を抑圧しすぎると、内面的なストレスが高まり、過度な自己批判や怒りを感じることがあります。この防衛戦略は、冷静さや理性を保つためのものですが、感情的な豊かさを欠く可能性もあります。
2. タイプ2: 助ける人 (同一化)
タイプ2は、他者のニーズに自分を同一視し、自己価値を他者の評価に依存します。この防衛戦略は、他者に喜んでもらうことで自分の存在価値を確認しようとするものですが、自己のニーズを無視することにも繋がります。自分の感情や欲求を抑え込んでしまうことが多く、後で感情的に枯渇することがあります。
3. タイプ3: 達成者 (過剰適応)
タイプ3は、他者の期待に応えようと過剰に努力します。この防衛戦略は、成功を追い求めることで自分の価値を証明しようとするものですが、感情を後回しにすることがあり、心の中で本当の自分を見失うことがあります。感情的な満足感よりも外的な成功を求める傾向があります。
4. タイプ4: 個性的な人 (回避)
タイプ4は、感情的な痛みや不安から逃れようとします。自己の独自性を強調し、他者と違う存在であることに価値を見出しますが、この防衛戦略が強く働くと、孤立してしまうことがあります。感情的な回避が過剰になり、内面の痛みと向き合うことを避けてしまうことがあります。
5. タイプ5: 探究者 (孤立)
タイプ5は、知識や情報に逃げることで感情的な接触を避け、孤立しがちです。この防衛戦略は、感情的な痛みや依存を避けるために有効ですが、他者とのつながりが薄くなりがちです。感情的な孤立が進行すると、自己完結型になり、他者との協力が難しくなることがあります。
6. タイプ6: 忠実な人 (投影)
タイプ6は、疑念や不安を外部に投影し、他者を信頼しきれなくなることがあります。この防衛戦略は、外部のリスクに対して警戒心を強くし、予測できない状況に対して過剰に反応することがあります。投影を繰り返すことで、他者との信頼関係が築けなくなることがあります。
7. タイプ7: 楽観主義者 (分裂)
タイプ7は、物事を極端に捉えてポジティブな側面だけを強調し、ネガティブな感情を避けようとします。この防衛戦略は、楽観的に状況を切り抜けることができる一方で、問題を先延ばしにしたり、感情の深い部分に向き合うことを避けることがあります。
8. タイプ8: 挑戦者 (攻撃)
タイプ8は、自分の力を誇示し、他者に対して攻撃的になることがあります。この防衛戦略は、外部の脅威や圧力に対して反発することで、自己の力を守ろうとするものですが、攻撃的な反応が過剰になると、対人関係に亀裂を生じさせることがあります。
9. タイプ9: 平和を重んじる人 (昇華)
タイプ9は、感情的なストレスを穏やかな方法で処理し、対立を避けることで調和を保とうとします。この防衛戦略は、対立を回避し平穏を守るために有効ですが、感情を押し込めることが多く、自己主張が弱くなること
があります。
エニアグラムにおける防衛戦略は、各タイプが自身の恐れや不安にどう対処するかを示していますが、これらの戦略が過剰になると、自己成長や対人関係に悪影響を及ぼすことがあります。自分の防衛戦略に気づき、その背後にある恐れや欲求に向き合うことで、より健康的な行動パターンを作り出すことができます。
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