エニアグラムにおいて「プライドが高い」傾向は、特に「タイプ3(達成者)」と「タイプ8(挑戦者)」に顕著に見られます。これらのタイプは、自分の価値や能力を重視し、他者に対しても自分の理想を投影しがちなところがあるため、「プライドが高い」と感じられやすいです。しかし、エニアグラムではこの「プライド」は単なる自尊心や自己肯定感とは異なり、深い心理的な背景があるため、各タイプに応じて詳細に解説していきます。
1. 特徴
タイプ3は「成功者」「達成者」とも呼ばれ、自己評価を他者の評価や成功に依存する傾向があります。プライドが高く見られる理由は、達成と認識されることに重きを置き、自分の価値を他人の評価によって確認するためです。そのため、表面的には自信と自己肯定感が強く見えますが、実は他者の反応に敏感で、成功によってアイデンティティを補強する側面があります。
2. プライドの心理的背景
タイプ3にとって、「プライド」は「自分は成功しなければならない」「他者から評価される存在であるべき」というプレッシャーから生じます。プライドが高く見えるのは、失敗を極端に恐れる気持ちの裏返しであり、失敗が自己価値の否定に繋がるという潜在的な不安が原因です。そのため、自分の成果や成功をアピールすることで、他者からの承認を得ようとします。
3. プライドのポジティブな面
タイプ3のプライドが健全に働く場合、それは自分の成功をただの外的評価ではなく、自己成長の成果として受け止める力に繋がります。彼らは目的に向かって真剣に努力し、自己の成長と成果を両立させる姿勢が持てます。また、周囲の人に目標達成や成功への道筋を示すことができ、リーダーシップを発揮するケースも多いです。
4. プライドの不健全な側面
タイプ3が不健全になると、プライドが過剰になり、虚栄心や競争心が強まります。他人との比較に重きを置き、結果として「成功」を示すために誇張したり、嘘をついたりすることもあります。また、自分が失敗することで他人に見下されるのを恐れるため、他者の成果を認められなかったり、周りの人を自分の成功の道具として扱うこともあるでしょう。
1. 特徴
タイプ8は「挑戦者」「リーダー」とも呼ばれ、強さや独立心、支配力を大事にする性格です。プライドが高く見える理由は、自分の力を頼りにする一方で、他者に弱みを見せたり、支配されることを極度に嫌うためです。彼らは自分の弱さを認めることが難しく、「自分がコントロールしている」「支配されていない」という感覚が重要で、これがプライドの源泉になります。
2. プライドの心理的背景
タイプ8のプライドは、「他人に支配されることを拒む」という強い意思から来ています。自分の力で道を切り開くという信念が強いため、他者からの助言や援助を「弱さ」と感じる傾向があります。これが、他者に対して自己主張を強くし、リーダーシップを発揮しようとする姿勢に繋がります。
3. プライドのポジティブな面
健全なタイプ8は、このプライドをもとに周りの人を守り、困難に立ち向かう力強いリーダーシップを発揮します。自分の信念に基づき行動するため、他人に流されず、誠実で信頼性の高いリーダーとなります。また、他者に依存せずに自己決定できるため、独立性と自己効力感を持ち、困難な状況でも積極的に行動できるでしょう。
4. プライドの不健全な側面
不健全なタイプ8のプライドが高まると、自己中心的で支配的な態度を取るようになります。他人を自分の思い通りに操ろうとし、相手の意見を軽視することもあります。また、弱さや失敗を認めることができず、他人に対して攻撃的になりやすくなります。さらに、自分が傷つくことを極度に恐れるため、他人に対して冷酷で威圧的な態度を取ることもあります。
タイプ1(改革者):タイプ1のプライドは「自分の理想に忠実であること」や「自分が正しい道を進んでいる」という信念に基づきます。自己の信念に強くこだわるため、他者からの批判や失敗を許せず、自分の道を貫く傾向があります。
タイプ2(助ける人):タイプ2のプライドは「他人に役立つ存在であること」に依存しています。自分が他人にとって必要な存在であると感じることで、自分の価値を確認しようとします。そのため、自分の助けが無視されることに対して強い不安を抱きます。
タイプ | プライドの原因 | 健全なときの特徴 | 不健全なときの特徴 |
---|---|---|---|
3(達成者) | 他者の評価や成功に基づく自己価値の確認 | 自己成長の結果として達成を受け止め、他者の目標達成を支援するリーダーシップを発揮 | 成功を過剰にアピールし、他人と比較しすぎて虚栄心が強まる |
8(挑戦者) | 力と独立を守り、他者に支配されないようにする | 強い独立心と行動力を持ち、他者を守る力強いリーダー。自己決定と責任感が強い | 支配的で威圧的になり、弱さを見せず、他人を攻撃的に扱いがち |
1(改革者) | 自分の理想や正しさを貫こうとする | 正義感と倫理に基づいた行動ができ、自己や他者への寛容さを持てる | 他者に厳しく、自己の理想に反することに対して非難しやすくなる |
2(助ける人) | 他者にとって必要な存在であると感じたい | 周囲の人をサポートし、自己を犠牲にしてでも他者を助けようとする | 自分の助けが認められないと不安になり、見返りを求める態度を取りがち |
エニアグラムにおいて「プライドが高い」という傾向は、各タイプの背景にある「自己価値の確認」や「他者からの評価」への依存が影響しています。タイプ3やタイプ8はその傾向が特に強く、外からはプライドが高く見えがちです。しかし、それは決して単なる自尊心ではなく、各タイプが持つ深い心理的なニーズや恐れに基づいています。この理解を深めることで、プライドの裏にある心の構造を知り、自分や他者に対する洞察が深まるでしょう。
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