エニアグラムは9つの性格タイプに基づき、人間の思考や行動パターン、内面の動機などを分析しますが、特定のエニアグラムタイプが不健全なレベルに陥ると、パーソナリティ障害的な行動が表れる場合があります。ただし、エニアグラムの各タイプがパーソナリティ障害と直接的に対応するわけではなく、エニアグラムのタイプごとの特徴が不健全な段階に進むと、パーソナリティ障害と似たような行動や考え方が現れる可能性があるという点を理解しておく必要があります。
以下では、エニアグラムのタイプ別に、それぞれが不健全な状態に陥ったときにどのようなパーソナリティ障害的な行動や特性が現れやすいのかを詳しく解説します。
タイプ1の特徴
- タイプ1は「完璧主義者」とも呼ばれ、強い倫理観や正義感に基づいて行動します。
- 自分や他人に対して厳しい基準を設け、それを守ることに固執する傾向があります。
不健全な状態の影響
- タイプ1が不健全な状態に陥ると、自分や他者の行動に対して過剰に批判的になり、柔軟性を失います。
- 完璧さを求めるあまり、強迫観念的な思考や行動が強まりやすくなり、強迫性パーソナリティ障害と似たような症状が見られる場合があります。
共通するパーソナリティ障害的な特性
- 過度な完璧主義
- 柔軟性の欠如と頑固さ
- 自分のやり方が唯一正しいと信じ、他者を強く批判する
- タイプ2は「献身的な人」とも呼ばれ、他者に役立つことやサポートを提供することで自己価値を感じます。
- 他者のために自己犠牲を払うことが多く、自分が必要とされることを強く望みます。
- タイプ2が不健全になると、自己価値を他者の承認や評価に依存するようになり、依存性パーソナリティ障害に近い状態になることがあります。
- 自分が必要とされないと感じると、不安や無価値感が高まり、過剰な依存行動に走ることがあります。
- 他者に依存しすぎる、またはその支援を求めすぎる
- 見返りを期待し、必要とされることを強く求める
- 自己犠牲的になり、自分のニーズを無視する
タイプ3の特徴
- タイプ3は「成功者」として、他者からの称賛や評価を通じて自己価値を確認します。
- 成果や社会的な地位を重視し、成功を求める傾向があります。
不健全な状態の影響
- タイプ3が不健全な状態に陥ると、自分の成果を過度にアピールし、他人との比較や競争に囚われやすくなります。
- 自己愛性パーソナリティ障害のように、自分を過剰に特別視し、他者の反応に極端に依存することがあります。
共通するパーソナリティ障害的な特性
- 自分を過度に高く評価し、他者を見下す態度
- 他人の評価に依存し、評価が低いと感じると自信喪失
- 外面的な成功に執着し、虚栄心が強くなる
タイプ4の特徴
- タイプ4は「個性派」として、自分の独自性を大切にし、他者と違うことに価値を感じます。
- 感情の起伏が激しく、他者の反応に敏感です。
不健全な状態の影響
- タイプ4が不健全になると、自分の感情に深く執着し、強い不安や孤独感を感じやすくなります。
- 境界性パーソナリティ障害のように、感情の不安定さや対人関係の不安定さが見られることがあります。
共通するパーソナリティ障害的な特性
- 感情が不安定で、極端な愛憎を行ったり来たりする
- 孤独感や疎外感に苦しむ
- 自己同一性の揺らぎや、他者からの見られ方に過度に依存する
タイプ5の特徴
- タイプ5は「観察者」で、知識や分析を重視し、独立した思考を好みます。
- 自分の時間やエネルギーを守り、他者から距離を置くことが多いです。
不健全な状態の影響
- タイプ5が不健全になると、他者との関わりを避け、孤立した生活を好むようになります。
- 回避性パーソナリティ障害のように、他者との交流を避け、過度に独立性にこだわることがあります。
共通するパーソナリティ障害的な特性
- 他者との交流を避け、自分の世界に閉じこもる
- 外的なストレスに弱く、過度に内向的になる
- 他人に頼らず、自己防衛的になりがち
タイプ6の特徴
- タイプ6は「忠実な人」として、信頼関係や安全を重視します。
- 不安を感じやすく、他者の指導やサポートを求めがちです。
不健全な状態の影響
- タイプ6が不健全になると、依存心が強まり、強迫的に安全を求めたり、他者に依存する傾向が出ます。
- 依存性や強迫性パーソナリティ障害に似た行動が出やすくなります。
共通するパーソナリティ障害的な特性
- 安全や安心を過度に求め、依存心が強くなる
- 自分で決断できない、または優柔不断になる
- 強迫的にリスクを避けたり、常に確認し続ける
タイプ7の特徴
- タイプ7は「熱中する人」として、新しい経験や刺激を求めます。
- 退屈や束縛を嫌い、ポジティブな未来を追い求めます。
不健全な状態の影響
- タイプ7が不健全になると、現実逃避的で衝動的な行動を繰り返すことが多くなります。
- 衝動性や境界性パーソナリティ障害と類似した行動が出やすいです。
共通するパーソナリティ障害的な特性
- 衝動的で現実逃避的な行動が増える
- 不安を感じると、問題を回避して新しいことに飛びつく
- 責任や制限を嫌い、回避しがちになる
タイプ8の特徴
- タイプ8は「挑戦者」として、権力や独立を重視し、他者に対して強い態度を取ります。
- 自分の主張を押し通し、支配的になることが多いです。
不健全な状態の影響
- タイプ8が不健全になると、反抗的で自己中心的な行動が強まり、反社会性パーソナリティ障害のような傾向が現れることがあります。
共通するパーソナリティ障害的な特性
- 自分の欲望を優先し、他者を支配しようとする
- 怒りや攻撃性が強く出る
- 規則や制限を無視する、または他者を尊重しない
タイプ9の特徴
- タイプ9は「平和を好む人」で、調和や安定を求め、対立を避ける傾向があります。
- 他者の意見を優先し、自分の意見を後回しにすることが多いです。
不健全な状態の影響
- タイプ9が不健全になると、自己主張を避けすぎて他者に依存したり、回避的な行動を取るようになります。
- 回避性や依存性パーソナリティ障害と似た行動が表れることがあります。
共通するパーソナリティ障害的な特性
- 対立を避けるために、他人の意見に従う
- 自己主張が弱く、自己放棄的になる
- 不安を感じると引きこもりがちになる
タイプ | 健全な状態 | 不健全な状態と関連するパーソナリティ障害 |
---|---|---|
タイプ1 | 倫理的、正義感 | 強迫性パーソナリティ障害 |
タイプ2 | 献身的、支援的 | 依存性パーソナリティ障害 |
タイプ3 | 成果志向、自己改善 | 自己愛性パーソナリティ障害 |
タイプ4 | 独自性、自己表現 | 境界性パーソナリティ障害 |
タイプ5 | 知識重視、独立 | 回避性パーソナリティ障害 |
タイプ6 | 忠実、信頼重視 | 依存性・強迫性パーソナリティ障害 |
タイプ7 | 楽観的、新奇探求 | 衝動性・境界性パーソナリティ障害 |
タイプ8 | 自主独立、リーダーシップ | 反社会性パーソナリティ障害 |
タイプ9 | 調和、平和重視 | 回避性・依存性パーソナリティ障害 |
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